
文化財解説文 | 南専寺山門は、寛文12年(1672)頃に永平寺境内につくられた4代福井藩主光通の正室清池院廟所の正門を、安永9年(1780)に南専寺に移築、山門として再建されたものである。正面2.72m、側面2.26mの小規模な四脚門形式の門である。屋根は向唐破風の銅板葺(当初は桧皮葺)で、笏谷石の棟石などを置く。内部は板天井である。柱は欅で、3段の貫で固められる。彫刻は、兎や龍、菊葉、鳳凰、波、紅葉などが彫られ、装飾に富んでいる。これら彫刻には彩色の痕跡も残る。福井藩に関わる17世紀中頃の様式を留める貴重な霊廟建築の遺構である。
安永9年(1780)の移築には玄之源左衛門が関与しており、永平寺大工の作品例としても貴重である。 |
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