文化財解説文 | この3背の鞍は、大阪夏の陣の際に、本多家の軍勢によって持ち帰られ、本多富正が神社に奉納したと伝えられているものである。 梅鉢葡萄蒔絵鞍は前輪と後輪の中央に金蒔絵で梅鉢文が、全面に葡萄唐草文が描かれており、墨書銘から文禄5年(=慶長元年(1596))の制作であることが分かる。 巴文螺鈿鞍は表面を青貝で1cm大の巴文を全面に散らし、裏面は卍の継文で飾られている。墨書銘から慶長16年(1611)の制作であることが分かる。 張良図蒔絵鞍は中国の故事に題材を得たもので、張良が黄石公に沓を捧げている場面が描かれている。墨書銘はないがほかの2点と同じ時期の制作と考えられる。 |
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