
文化財解説文 | 福井市中手町の樺八幡神社に伝わる笏谷石製の狛犬である。阿形・吽形の一対で、台座を含め笏谷石の一材から彫出されている。阿形は口を開けて顔をやや左に、吽形は口を閉じてやや右に顔を向けて台座上で蹲踞する。阿形は左前後脚の側面に、吽形は右前後脚の側面に銘文があり、永正十八年(=大永元年(1521))に奉納されたことがわかる。 現在確認できる笏谷石製の狛犬としては、あわら市沢の狛犬に次いで古い紀年銘を持つ。像高が70㎝近くあり、笏谷石製の狛犬としては大型で、表現にのびやかさと量感があり、矮小化していない優れた作風の狛犬である。 |
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