
文化財解説文 | 谷田寺は真言宗の寺院で、縁起によると養老5年(721)に泰澄が開いたという。 本像は谷田寺の本尊で、11面42臂の通形の千手観音立像である。脇侍である不動明王像、毘沙門天像(附指定)とともに祀られてきた。榧材の寄木造で、彫眼、内刳りが施されている。像内には当初の納入品とみられる千手観音摺仏(18.5cm×13.4cm)が納められていた。制作は鎌倉時代と考えられる。 不動明王像は、檜材で彫眼、毘沙門天像は玉眼とし、構造は異なるが、作風から2体は同時の作とみられる。なお、本寺所蔵の弘安11年(=正応元年(1288))の文書には本堂五間四面本尊千手の存在が記されている。像高は161.2cm。 |
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