
文化財解説文 | 引接寺は、長享2年(1488)真盛(しんせい)上人が開基した天台真盛宗の別格本山で、越前における真盛派の中 心寺院であった。 水瓶は銅鋳造で、長い注口と把手を持つ志貴(しぎ)型水瓶である。蓋に取り付けられた獅子は鬣(たてがみ)の1本まで細かく毛彫りされ、把手や蝶番の牡丹文などは繊細かつ精緻に写実的に彫出されており、鎌倉時代の製作と考えられる。全面に鍍銀にて菊花文を散らす装飾がなされており、当初は非常に華やかなものであったと思われる。鎌倉時代の金工品の典型的作風を表すものであり、保存状態も良好である。 |
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