
文化財解説文 | 当時、武家の間で騎射の習練として盛行していた犬追物において、元光が優劣を判定する検見の役をつとめる姿を描いたものである。画面上部には英甫永雄の賛がある。賛によると、前丹波守宗友道人が作らせていた元光の犬追物検見の姿を表した画像が出来上がり、賛詞を請われたので、天正2年(1574)7月に書き上げたという。 元光は天文20年(1551)7月10日歿しており、本図は23年を経た祥月命日に、追善供養のため制作されたものと考えられる。肖像画としては、類例の少ないきわめて異色の作品であり貴重なものである。 |
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