| 文化財解説文 | 西福寺は応安(おうあん)元年（1368）、良如(りょうにょ)（1344～1412）によって創建され、室町時代を通じて北陸有数の浄土宗寺院として発展した。
同寺に伝来してきた古文書群は、文保(ぶんぽう)元年(1317)山内資綱置文(やまのうちすけつなおきぶみ)以下、明治時代までの文書を含む。中世文書は、後円融(ごえんゆう)上皇、足利将軍家の祈願所であることを示す文書や、鎌倉時代から安土桃山時代にかけて、寺領の形成過程を明らかにする文書、また、斯波(しば)氏、朝倉氏、織田信長、大谷吉継、結城秀康等による地域支配を示す文書など、豊富な内容を持つ。近世文書は親藩(しんぱん)や譜代(ふだい)大名による寺領保護、越前、若狭、近江に所在した末寺との関係を示すもの、寺内組織に関わるものなどが多く含まれる。 西福寺文書は、その文書群に占める中世文書の比率が高く、とりわけ室町時代の文書が多いところに特徴がある。また、中世以来の浄土宗寺院文書がまとまって伝来する事例は少なく、戦前から研究が蓄積されてきた。我が国の政治史、経済史、文化史、寺院史等の各分野研究上、価値が高い文書群である。 |
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