
文化財解説文 | 大般若経(正式名称は大般若波羅蜜多経)は、大乗仏教の中核思想を説く一具600巻の経典で、仏教の根本経典とされる。本経は、鎌倉時代に興福寺を中心とする大和国の諸大寺で開板・摺写された春日版である。室町時代に氏子の村々から白山神社へ寄進され、以後は安穏等を祈願するため転読された。県内における春日版の事例として大変貴重である。また、一部の表紙・裏表紙には平安時代に書写された紺紙銀界金字法華経が転用されており、この点は全国的にみても非常に珍しい。現在、春日版は552帖が残り、明治時代の写本16帖と合わせ、経箱60帙・経櫃3合に収納され、白山神社の本殿内陣に安置されている。 |
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