福井の文化財cultural assets

文化財詳細

文化財詳細
コウノトリ
名称 コウノトリ
よみがな こうのとり
指定区分 国指定
種別 記念物 天然記念物
時代
所有者所在地 地域を定めず
所有者・管理者
員数
指定年月日 昭和31.7.19
指定番号
構造形式・法量
公開状況
交通案内
公式リンク
文化財解説文  コウノトリ目コウノトリ科の野鳥。全長112cm、翼の開張は2mを超える。ツルやハクチョウなどとともに、わが国では最も大きい鳥の一つである。体色はほとんどが白く、翼の風切羽は黒い。くちばしは鉛色で目先やその周囲と喉が赤く、脚も黒っぽい赤色。一見ツルを思わせるがツルとは全く縁のない鳥である。昔は全国各地に生息していた。松に巣づくりをするタンチョウヅルの絵を見かけるが、これはコウノトリを誤って描いたものである。明治以降乱獲などで減少し、東京では明治20年(1887)に姿を消し、大正、昭和時代には兵庫県豊岡地方に数十羽しか残っていなかった。しかし、昭和32年(1957)、福井県武生市の郊外の電柱に営巣しているのが確認され、続いて小浜市でも巣とヒナが発見された。福井県ではもっとも多い時で8羽が確認されている。昭和39年、福井県鳥にも指定された。しかし、そのころから農耕地や河川の開発が進み、有機水銀系農薬の使用が盛んになって、コウノトリのえさである魚や小動物が死滅し、また、農薬に汚染されたえさを食べた鳥の体内がおかされ、次々と死滅した。この結果、本県では昭和41年、小浜市の一羽を最後に姿を消し、兵庫県でも日本最後の野生の鳥が昭和46年に死亡している。日本のコウノトリは、昭和28年、地域を定めず国の天然記念物に指定され、昭和31年7月19日には、特別天然記念物に、また、昭和47年には絶滅のおそれのある鳥類として「特殊鳥類」に指定されている。まれに、シベリア大陸などから日本に飛来することもあるが、国内での繁殖は絶望的である。現在兵庫県豊岡市では、中国やソビエトから譲り受けた鳥の人工増殖に取り組んでおり、成功への期待が寄せられている。
一覧へ