
文化財解説文 | 龍澤寺の三祖を描いた頂相である。太源宗真禅師は梅山聞本禅師の師、峨山韶碩禅師は太源宗真禅師の師であり曹洞宗の発展の基礎を築いた僧である。梅山聞本禅師は龍澤寺開創の際にこの二僧を敬い、自らは開山とならず峨山韶碩禅師を開山、太源宗真禅師を二世、自らを三世としたため、龍澤寺ではこの三僧を三祖として仰いできた。三僧とも曲蠖狽ノ座し、手に払子または竹箆を持つという共通した姿で描かれており、描法からみて同一絵師により描かれたと考えられる。
上部の賛文はいずれも龍澤寺六十四世住職の華覚契琢の手で天文16年(1547)に書かれている。曹洞宗では中世にさかのぼる頂相の遺品が少ないが、没後の作ではあるものの、著名な禅僧の画像として貴重である。 |
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