
文化財解説文 | 本図は、岩佐又兵衛の画風を濃厚に備える作品で、かつ、県下に伝存する貴重な風俗図である。もとは 二曲一双だった屏風を一隻に仕立て直したものと思われる。向かって右の図は秋の景で、女性2人と少女が菊花を愛でる姿を、左の図は春の景で桜花の下で休らう女性2人と少女が描かれており、これらの女性は遊女である。 本図が伝わる西応寺は真宗の高田派が越前と伊勢とで本山である専修寺(せんじゅじ)の住持職を争った時に越前専修寺(のちの法雲寺を支えた 大坊(だいぼう)四ヵ寺の一つであ り、専修寺とは婚姻関係があった 。法雲寺は岩佐又兵衛とゆかりが深く、当寺に又兵衛風の作品が伝わ った経緯はここからうかがい知ることができよう。 (右)縦116.2cm、横45.7cm (左)縦115.1cm、横43.5cm。 |
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