福井の文化財cultural assets

文化財詳細

文化財詳細
油団の製作技術
名称 油団の製作技術
よみがな ゆとんのせいさくぎじゅつ
指定区分 県指定
種別 民俗文化財 無形民俗
種類 無形民俗文化財
時代
保存団体・保持者 鯖江市田村町
所在地・伝承地 牧野 友美
指定・選択・認定年月日 平成26.3.28
指定番号 福井県指定第405号
民俗芸能等群での分類
公開状況
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文化財解説文  油団は、何層にも貼り重ねた和紙の表面に荏胡麻油を塗り、鏡面のように磨いたものである。触れると冷たいことから夏用敷物として重宝された。その歴史は明らかではないが、明治期の記録によると、江戸時代後期には全国的に生産が行われていたようである。しかし、近年のクーラー等の普及や和室の減少等から需要が激減し、現在は鯖江市の「紅屋紅陽堂」で生産されるのみとなった。
 油団はまず、仕上げの大きさになるように(6畳用であれば6畳の大きさ)鳥の子紙といわれる和紙を貼り合わせ、その上に楮100%の和紙を貼り重ねていく。1枚貼るごとに「打ち刷毛」で垂直に強く叩き、下の紙の繊維と一体化させる。和紙を13~15層貼り重ねた後、裏面に柿渋、表面に荏胡麻油を塗り、天日で5日程度乾燥させ、1ヶ月ほど寝かせた後、木綿の布でつぶした豆腐を擦り込んで艶を出し完成となる。完成品は3~4mmの厚さとなる。完成直後は淡い茶色であるが、使い込むうちに深いこげ茶色になっていく。
 油団の製作は現在、「紅屋紅陽堂」のみで行われており、和紙産地である本県に伝わる技術としても貴重なものである。油団の製作技術の技術保持者は、油団の技術を受け継ぐ「紅屋紅陽堂」の3代目である牧野友美氏。
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