名称 | 越前和紙の製作用具及び製品 |
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よみがな | えちぜんわしのせいさくようぐおよびせいひん |
指定区分 | 国指定 |
種別 | 民俗文化財 有形民俗 |
時代 | 江戸時代~現代 |
所有者所在地 | 越前市 |
所有者・管理者 | 越前市 |
員数 | 2523点 |
指定年月日 | 平成26.3.10 |
指定番号 | |
構造形式・法量 | |
公開状況 | |
交通案内 | |
公式リンク |
文化財解説文 | 越前和紙は越前市五箇地区(不老・大滝・岩本・新在家・定友)を中心に生産が行われている。当地域では、古代から和紙生産が行われていたと伝えられており、江戸時代には、福井藩はもとより幕府へも御用紙を納めるなど、和紙の代表的な産地であった。
越前和紙の特徴は、奉書、鳥の子、局紙、檀紙、打ち雲、飛び雲、墨流しなど、多種類の紙が製作されていることである。今回の指定対象は、これら多様な越前和紙を製作する際に用いられる用具と、古紙や紙見本等の製品で、これまで越前市と福井県和紙工業協同組合が中心となって収集してきたものである。 製作用具は、原料加工から紙漉き、乾燥など、紙を製品として完成させるまでに必要な各工程の一連の道具がそろっている。紙を漉く際に用いる桁や簀は紙の種類や大きさによって使い分けることから、その数は特に多い。また、昭和40年(1965)代頃に流行した「ひっかけ」と言われる装飾技法に用いられる金型が多く残る。歴史資料としても貴重な資料としては、福井藩の御用紙を漉くことを認められた「御紙屋」である三田村家や加藤河内家旧蔵資料で、藩札用の定木や御用札等、御紙屋ならではの特徴ある資料が残る。 製品は紙の漉屋や問屋などに残されていた古紙や紙見本である。なかには江戸初期にまで遡るものもあり、当時の紙の種類や技術を知る上で貴重なものである。 明治以降の洋紙時代となるなかで、五箇地域では生き残りをかけて、紙幣や証券等用の紙である「局紙」を開発したり、画家の細かい求めに応じて、日本画用紙の研究を進めた。そのような越前和紙の新しい時代を反映する、株券用紙の見本や、大正14年(1925)に「明暗」(横山大観と下村観山の合作)製作のため、初代岩野平三郎が漉いた、当時世界最大の岡大紙(5.1m四方)も残る。 |
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