
文化財解説文 | 「仙人高士図」は桃山時代に好んで描かれた主題であるが、ここでは鶴を伴った林和靖(りんなせい)、瓢箪(ひょうたん)から出た駒を見る張果老(ちょうかろう)、鯉の背に乗る琴高仙人(きんこうせんにん)、風に吹かれる列子(れっし)、乞食姿の鉄拐仙人(てっかいせんにん)及び舟に乗って釣竿を垂れる蓑笠翁(さりゅうおう)の六図からなる。
寸法の違いはあるが、本図は完成された本画とみなされる。 各幅には「橋本」と読める白文方印(はくぶんほういん)が認められ、この印は初代橋本長兵衛が用いたことが明らかにされている。現存する作品では、架鷹図(かようず)しか知られていない彼の描いた人物図として貴重であり、本図によって海北友松(かいほうゆうしょう)の画風に習っていたことが判明する上でも価値が高い。 |
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