福井の文化財cultural assets

文化財詳細

文化財詳細
松喰鶴鏡
名称 松喰鶴鏡
よみがな まつくいつるきょう
指定区分 県指定
種別 有形文化財 工芸品
時代 平安時代末~鎌倉時代初期(12世紀後半)
所有者所在地 福井市大宮2丁目19ー15(福井県立歴史博物館に寄託)
所有者・管理者 宗教法人八幡神社(樺八幡神社)
員数 1面
指定年月日 令和3.9.7
指定番号 福井県指定第473号
構造形式・法量 銅、鋳造。
面径(めんけい) 20.3㎝ 縁高(ふちだか) 0.5㎝
縁上面幅(ふちうわつらはば) 0.25㎝ 界圏径(かいけんけい) 15.0㎝
鈕径(ちゅうけい) 2.2㎝

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文化財解説文  2羽の鶴が外向きに旋回し、うち1羽が松の折れ枝をついばむ文様を鋳出(いだ)した大型の鏡である。
 周縁は断面台形を呈し、鈕座(ちゅうざ)をもたない素鈕(そちゅう)で、一部に紐の痕跡を残す。やや太めの界圏(かいけん)を巡らし、内区(うちく)と外区(そとく)にわずかな高低差を設けている。
 文様は滑らかなへら押しで鶴の体躯や松葉を表す。一方の鶴の足元には蝶を1匹描く。外区には2羽1組の右向きの子鶴と飛雲を交互に配置する。
 地金は錫(すず)をやや多く含み、白銅に近い色味を呈する。鏡背(きょうはい)全面に漆とみられる黒色の着色を認めるが、当初の施工かは不明である。鏡面全面に鍍錫(としゃく)を施す。
 鏡背文様は平安時代末から鎌倉時代初期、12世紀後半の特徴を示す。類似した図様の作例は少なからず存在するが、ほとんどは面径11㎝前後の小型鏡になり、多くが経塚出土鏡(きょうづかしゅつどきょう)である。対して本鏡は、出土品らしい古色・錆等は認められず、収納箱蓋(ふた)裏の先代宮司による書付けに、中手樺八幡宮(なかんてかばはちまんぐう)宝殿前立鏡(ほうでんまえたてきょう)、後に神輿渡御(しんよとぎょ)の御霊代(みたましろ)として用いた伝来を記す通り、永らく当社に伝来した鏡とみていい。松喰鶴文の12世紀に遡る大型の神社伝来鏡として、全国的にも稀な作例である。
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