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文化財解説文 | 八坂神社本殿に安置される牛頭天王像と、同社摂社の御塔(みとう)神社に伝来した女神像である。牛頭天王は三面十二臂で本面頭上に牛頭を戴き、武装する神将形で虎座に坐す。女神は唐装で頭上に十一面を戴く姿に表される。ともにカヤとみられる針葉樹材の一木造で内刳(うちぐ)りを施さず、一部に彩色を施すほかは素地(きじ)仕上げとする。
現在、両像は別々に安置されるが、大きさが近いことや体躯の表現、制作技法が近似しているため、一具(セット)の像として制作された可能性が高いと考えられる。 牛頭天王は疫病を防ぐ神として信仰を集めた。女神像は頭部を十一面観音として表しており、十一面観音の垂迹(すいじゃく)神である白山妙利権現(はくさんみょうりごんげん)である可能性や、牛頭天王の后である婆利女(はりめ)として造像された可能性がある。 これらは、同時代の神仏習合の彫像作例として貴重である。 |
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