
文化財解説文 | 専照寺は、正応3年(1290)開創と伝わり、享保9年(1724)に現在地に寺基を移した。山号は鹿苑山と号し、真宗三門徒派の本山である。御影堂には親鸞聖人の真影を安置する。
御影堂は、正面9間、側面7間、入母屋造、桟瓦葺の建物で、正側面に広縁および切目縁を廻し、正面に3間の向拝をもつ。内部は、前方を内陣部、後方を外陣部とし、内陣部は広縁部分も取り込んで桁行9間とし、中央後方に来迎柱を立て須弥壇をおき、背面に後門を開いて両側に脇壇を張り出す。内陣左右には余間、さらに落間を設ける。外陣部は広縁より内側の桁行7間とし、内陣前は床を一段上げる。装飾は内陣を大振りの欄間彫刻や組物の金箔押、虹梁の黒漆塗などで飾るが、外陣部は素木のままとする。建築年代は、天保8年(1837)の火災後、弘化年間の再建と伝わる。 専照寺御影堂は、江戸末期建築の大規模なお堂で、浄土真宗本堂が発展した整った平面構成を示し、内陣の意匠も華やかである。本山寺院の御影堂としても、県内で江戸時代の建築は唯一であり、貴重である。 |
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