文化財保護のしごと
福井県教育庁の生涯学習・文化財課文化財グループでは、文化財保護の業務を行っています。文化財を次の世代に残すことができるように保存したり、修理をしたりするための方法について文化財の持ち主や文化財がある市や町の担当者と話し合います。時には、国の役所である文化庁の人にも、良い方法がないか質問をして教えてもらうこともあります。
また、文化財がある場所に行き、文化財について調査をしたり、その文化財について詳しい方に頼んで調査してもらったりする時の調査補助(写真やビデオ撮影、聞き取りのメモとり、寸法を測る、目的地まで移動するための運転)を行うこともあります。
文化財調査員のある1日
(調査日)美術工芸品担当文化財調査員の1日
午前8時30分までに県庁に出勤し、調査のために必要なものを準備し、調査場所に向かいます。調査は、お寺や神社で行うこともあれば、博物館などの施設で行うこともあります。
写真を撮影するために、カメラや三脚、背景を白くするための布やライトといった機材を持っていきます。また、文化財に傷をつけないように布団(綿を和紙で包んだクッション)や和紙でできた薄葉(うすよう)紙という道具も用意します。他にも、巻き尺、調査したことをまとめるためのノートや筆記用具などを持っていくため、たくさん荷物があります。
いよいよ調査開始です。文化財を傷つけないよう慎重に移動させます。
調査では、写真の撮影や、法量(ほうりょう:文化財の寸法のこと)を測ります。次に、文化財の作られている材料(素材)や作り方(構造)、保存状態の確認などを行います。
文化財の伝来や歴史(どのように伝わってきたか)について、お寺の方や地域の方々にお話を聞く場合もあります。調べた内容はメモにまとめ、帰ってから調査報告書を作成します。
「文化財」と一口に言っても、絵画や彫刻、古文書など、その種類や形はさまざまです。自分が学んできた専門分野にとどまらず、常に色々なことに興味を持って知識を増やしていこうとする姿勢を大事にしています。
文化財を正しく保存していくことは、それを守り伝えてきた人たちの歴史を守っていくことでもあります。責任が大きく、やりがいのある仕事です。発見と学びをくりかえしながら、毎日楽しく仕事をしています。
(県庁内での勤務)民俗文化財担当者の1日
職場での勤務です。
8時30分 (午前中の勤務)勤務開始。
現地調査で記録した写真やビデオのデータをパソコンに取り込んで保存。
現地調査に加わってくれた調査委員や調査員の移動にかかった旅費やお礼の書類を作成し、上司の許可を得る手続きをする。(起案とよびます)
国宝が所在する市の担当者と、国宝の保存と修理のことについてメールや電話でやり取り。
12時00分 1時間の休憩、昼食
13時00分 (午後の勤務)
県外で行われる民俗芸能大会に出演してくれる団体の人に連絡。
出演する団体について紹介する文章を作ってほしいと依頼。
行事調査の関係者とメールでやり取り。
17時15分 (勤務時間終了時刻)
日中はそれぞれ仕事に出ている行事の世話をする地域の方に電話連絡。