文化財の分類について

文化財は、文化財保護法において、次のように分類されています。
「有形文化財」、「無形文化財」、「民俗文化財」、「記念物」、「文化的景観」、「伝統的建造物群」、「文化財の保存技術」、「埋蔵文化財」の8つです。
さらに、「指定」、「登録」、「選択」、「選定」の4つの区分があります。

指定分類参考図
(参考図「文化財の体系図」文化庁HPより転載)

<国・都道府県・市町村指定等の区分について>

文化財のなかには、法律等によって保護措置が図られている文化財があります。そのうち、国が特に貴重だと認めたもの(国宝、重要文化財、史跡・名勝・天然記念物など)と、都道府県や市区町村が貴重だと認めたものや特徴的と認めたものがあります。こうした文化財は、指定・選定・選択・登録されて保護されます(指定分類については、指定分類の表をご覧ください。)。
このように国、都道府県、市区町村が認めた文化財は、持ち主は自由に変更を加えることはできず、どのように変更をするか届け出る必要があり、文化財の保管場所が変わる場合も届け出が必要になります。
また、修理の方法などもそれぞれの文化財の保存にふさわしい方法で行うといった内容での許可が必要になります。そのため国、都道府県、市区町村は修理について、持ち主からの相談にのるとともに、持ち主の負担が軽くなるように補助を行っています。修理した文化財は、例えば博物館などの施設で展示することで、多くの人々に文化財のすばらしさに触れてもらい、今後も大切にしたいとする気持ちを持ってもらうことを目指しています。

<文化財の個々の分野について>

身近な文化財の分類と文化財の例について簡単に紹介します。

有形文化財(ゆうけいぶんかざい)
建造物(けんぞうぶつ)

みなさんの住んでいる地区に古くから残っているお寺や神社、江戸時代の暮らしの様子を伝える古民家などを指します。最近では古い工場なども含まれます。

美術工芸品(びじゅつこうげいひん)

絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料の各分野があります。
昔から大切にされてきた絵画の掛け軸や屏風(びょうぶ)、お仏像、古いお皿や古文書とよばれる古い手紙類、地中から発掘された土器や生活用具などを指します。

無形文化財(むけいぶんかざい)

紙すきの技術や日本古来の伝統芸能(雅楽、能楽など)の技能があります。

民俗文化財(みんぞくぶんかざい)

地域で長い間守り伝えられた風習や行事、お祭りや暮らしに関係する道具類などを指します。

記念物(きねんぶつ) … 史跡・名勝・天然記念物

自然が作り出す珍しい風景や、希少で珍しい動植物、昔のお城の跡、庭園などがあります。

文化的景観(ぶんかてきけいかん)

地域の人々の暮らしやその生活の様子がわかる地区や風景を残していくために選ばれた地域のことを指します。

伝統的建造物群保存地区(でんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく)

昔からの古い町並みや建物のまとまりを残していくために設けられた地区のことを指します。

選定保存技術(せんていほぞんぎじゅつ)

文化財を残していくために必要な材料や道具を作る技術や文化財を直す修理技術のことを指します。

埋蔵文化財(まいぞうぶんかざい)

地中に埋まっている遺跡や土器などのことを指します。